著者は地頭力を鍛える の著書で有名な細谷功氏です。
ビジネス思考力を鍛えるとなっていますが、近所付き合いにおけるコミュニケーションの場など日常生活の中でも応用できるものが多く、物事を様々な角度から捉える訓練には最適な1冊になるのではないかと思います。
本書はまず実際の社会では正解のある問題はほとんどない、というところからスタートします。
とりあえず唐突に「○△はいい映画ですか?」や「原発って安全ですか?」といった類の質問が愚問であることに気づかされるのではないでしょうか。
なぜならこういった質問は「白か黒か」「YESかNOか」という二元論でしか捉えられない思考停止している人の典型だからです。
本書のテーマである思考力というのは「一見賢そうに見えない」ものからの発想が必須だといっています。
然しながら想像もできない未来のことを語ったり、前例がないことを自ら発信するのは妄想家か、下手するとアホかと思われますので多くの人はここを避けてしまっているのではないでしょうか。
身近な例として
SNSなどで「何もないところに自ら投稿する」と「他人の投稿にコメントする」
コントにおける「ボケ」と「ツッコミ」
いずれも後者の方が後出しジャンケンであるため、恥をかくリスクもあまりなく賢そうに見えるのではないでしょうか。
然しながら、ことを成し遂げる人というのは「賢そうな評論家」ではなく、「無様なプレイヤー」であることが多いと述べています。
「フィールドでプレーする野球選手」と「外野席でビールを飲みながら野次を飛ばすおっさん」とう例がわかりやすいかも知れませんね。
それから「魚を与えるのではなく、釣り方や漁の仕方を教えるべきである」という言葉を引用して同様の構図を考えるというアナロジー思考では、家計のやりくりがうまくいっていない人ほど魚(お金や物)を欲しがり、釣り方(ファイナンシャルプランや人生設計)には興味を示さないというところが当てはまりそうです。
ビジネス思考力を鍛える クイズで特訓50問 日経文庫 細谷功著
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